2015年1月5日月曜日

2015新春 浜離宮 放鷹術披露


新春恒例 放鷹術実演会
2015年1月2日(金)3日(土)
浜離宮恩賜庭園

今年で23回目を迎えた諏訪流放鷹術保存会による放鷹術実演会。
晴天に恵まれ、およそ1万人が華麗なる放鷹術を堪能しました

                  

高層ビルからの鷹の急降下

実演会の目玉は、やはり電通ビルからの急降下。今年は紅艶(こうえん)が挑戦。
2日は、朝から数羽の野生の鷹が、なわばりを主張し、広場上空をゆっくりと旋回。まるで、これから鷹の急降下が行われることを知っているかのよう。大塚鷹匠が放った紅艶は、ゆっくりと円を描いて降りてきましたが、結局、野生の鷹たちの追われ、急降下できず、森に逃げこんでしまいました。鷹は群れないと聞いていますが、この日は一団で追っていましたからちょっと驚きました。
野生の鷹がゆっくり旋回

3日は、数十羽のカラスの大群に追われ、やはり森に逃げ込んでしまうという結果に。この日は、昨日の恐怖があったのか、ビル屋上から放たれたあと、すぐに森に逃げてしまいました。やはり、浜離宮に住む鷹や鳶やカラスがじゃまをするので、成功せず残念でした。でも、紅艶には酷ではありますが、空の掟、野生の厳しさを見ることができたのは、貴重な体験でした。そして嬉しかったのは昨年、東京、埼玉で映画「ぬくめどり」の上映会を行いましたが、映画を見てくださった方が大勢来てくださり、「埼玉の上映会へ行ったんですよ」「高円寺にも行きましたよ」と声をかけてくださったことに感激しました。

実演前の静かな時 鷹を周辺環境に慣らします














鷹は、カラスや鳶に追われると常緑樹の中に隠れます。そして落ち着くまでは、いくら呼んでも降りてくることはありません。今回も、イベントを終えた頃に、田籠師匠がゆっくりと鷹を呼び、据えあげました。「鷹も気持ちがあって、無理強いしても戻ってはこない、時間をおいて待ってあげること」という田籠師匠の鷹に対する深い気持ちがよくわかる言葉でした。
華麗なる技の披露。左稲田鷹匠と田籠鷹師
鷹匠補の菊池さんと朔弥ちゃんふたりとも初衣装
お披露目の日です!なかなか似あってる
偶然稲田鷹匠のお友達と遭遇。琳ちゃんと。
「この子は撮影大丈夫だから」とさすがの稲田鷹匠
お客様と記念撮影タイム
鷹の文化を知ろう!
将軍様の雑煮
歌舞伎座で販売しているものを会場で売っています
歌舞伎座から出店しているブースでは、将軍が召しあがったとされる雑煮が用意された。十一代将軍徳川家斉が食した雑煮を再現。もち、里芋、長菜、青昆布などが入ったもの。千葉大学の松下幸子名誉教授監修によるもので、浜離宮恩賜庭園ならではの食文化を味わうことができる

将軍の雑煮で新年を迎えよう!
モノが伝える鷹文化
映画のDVDの他に、陶器の鷹の箸置きなどを販売しました

 今回、主催者及び諏訪流放鷹術保存会の御 好意で、頒布ブースを出させて頂きました。映画「ぬくめどり」のDVDのご案内と、鷹の箸置き、そしてポストカードなどです。諏訪流放鷹術保存会でも鷹のフードのキーホルダーやポストカードなどの販売も行いました。

鷹の箸置きは、埼玉県上尾市の障害者福祉施設ぷちとまとの子供たちが、ひとつひとつ手作りで作ったものです。埼玉で「ぬくめどり」上映の際、陶芸作品を作っても販売するところがないというお話から、上映会会場ロビーをお貸ししたことがご縁です。ひとつの映画がこのようにお役にたてて良かったです。


お客様の中で、「長年この実演会に参加しているが、このような販売は初めて。とても良いことだ」あるいは「こういったグッズを通して、鷹狩を知ってもらうことは良いことだ」というような意見をたくさん頂きました。また2日には「明日は他のグッズは売るの?」などとおっしゃる方も。

子供が千円札を握りしめて、どれを買おうかと買いにきてくれたことは本当に嬉しかった。大人も子供も、浜離宮に来て鷹を見た帰りにお土産が欲しいということでした。今回、試みとして販売をさせてもらったのですが、お客様の鷹への興味の深さを知ることができ、対面でお客様とお話できる楽しさを知った2日間でした。

●頂いたご意見の一部を紹介します

鷹を飼い、鷹匠になるには仕事やお金、住環境からすると大変難しいこと。しかし、鷹のファン、諏訪流を応援しようという人もいる。
会費を低くして、一般人も参加できるようなシステムができないか。会報を送るだけでもいいので、気軽に参加できるようになれば、裾野が広がっていくのではないか。(男性)

鳩にとびかかる技「飛びながし」を撮影したカメラマンが、鳩をつかむシーンが撮影できたと3日に前日の写真を持ってきて見せてくれた。(男性)

ハリスホークとふくろうを飼っている。毎年楽しみに来ている(男性)

伝統を受け継いでいくことは、伝える人(鷹匠)、受け取る人(一般の皆さま)、その双方で成り立っていくのだと感じた実演会でした。



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